教えて、間代さん!サ責のお悩み相談室|vol.03

何でもしてあげちゃうヘルパーさんに、どう伝えたらいい?

サービス提供責任者(サ責)の仕事には、
日々の業務の中で「こんな時どうしたらいいのだろう」と迷う場面がたくさんあります。
このコラムでは、HTCが支援する訪問介護事業所のサ責さんから寄せられた実際のお悩みをもとに、
20年以上にわたり現場を支えてきた間代みずほさんの考え方をご紹介します。
正解をお伝えするのではなく、一緒に考えるためのヒントをお届けできれば幸いです。

※間代みずほさんは、サービス提供責任者の実務書『サ責があなたに贈る本』の著者です。
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今回のサ責さんのお悩み

ご利用者さんから頼まれると、何でもやってあげてしまうヘルパーさんがいます。

ご本人ができることまで手伝ってしまうこともあり、サ責として「そこまでやっていいのかな?」と気になります。

でも、ヘルパーさんはよかれと思ってやってくれています。
その気持ちを大切にしながら、「やりすぎない支援」をどう伝えたらよいでしょうか?

間代さんはこう考えます

「ご利用者さんのために、できることは何でもしてあげたい」

熱意を持って支援してくれるヘルパーさんの気持ちは、とてもありがたいものです。

困っている姿を目の前にしたら、手を差し伸べたくなるのも自然なことだと思います。

ただ、訪問介護で大切にしたいのは、「何でもしてあげること」が必ずしもご利用者さんのためになるとは限らないということです。

介護保険制度における訪問介護では、ご利用者さんができないことを何でも代わりに行うのではなく、ご本人が持っている力を活かしながら、自立した生活を支えることが目的です。

そのため、ご利用者さんがご自身でできることはできるだけ行っていただき、難しい部分をヘルパーさんが支援する、という「自立支援」の視点が大切になります。

たとえば、時間をかければご自身でできることを、ヘルパーさんが先回りして全部やってしまったらどうでしょう。

その場では早く終わりますし、ご利用者さんにも喜ばれるかもしれません。

でも、それを毎回続けていると、ご本人がその動作をする機会そのものが減ってしまいます。

本来できていたことが、少しずつできなくなってしまう可能性もあります。

だから介護する側は、「何をしてあげるか」だけではなく、「何をしないか」を考えることも必要です。

その判断をするために、まず確認したいのが、ご利用者さんの「できること」と「できないこと」です。

全部やってあげるのでも、全部ご本人にやってもらうのでもありません。

ご自身でできるところは見守る
少し難しいところは、一緒に行う

一人ひとりの状態に合わせて、その境目を考えていきます。

そして、サ責がヘルパーさんに伝えるときも、「それはやらないでください」だけで終わらせないでください。

なぜなら、ヘルパーさんは「よかれと思って」やっているからです。

まず、「いつもご利用者さんのことを考えて支援してくれてありがとう」と、ヘルパーさんの気持ちを受け止める。

そのうえで、「ここはご本人ができることなので、少し見守ってみましょう」「とても意欲的な方なので、次回はご本人にやっていただく部分を増やしてみませんか?」

このように、ただ「やらないで」と伝えるのではなく、ご利用者さんの力を活かすために、なぜその支援をするのかまで伝えてみてください。

ヘルパーさんに理解してほしいのは、ご利用者さんのできることを大切にすることも、大事な介護の仕事の一つだということです。

サ責自身がご利用者さんの状態をきちんと把握しておくことも大事です。

以前はできなかったことが、今はできるようになっているかもしれません。反対に、以前はできていたことが難しくなっていることもあります。

日々のヘルパーさんからの報告やモニタリングを通して変化を捉え、必要に応じて支援内容を見直していきます。

「やってあげる」「やってあげない」で考えるのではなく、

今、このご利用者さんには、どんな支援が必要なのか。

そこに立ち返って考えてみてください。

ヘルパーさんの「してあげたい」という優しさを、ご利用者さんの「できる」を支える力に変えていく。

それも、サ責の大切な役割だと思います。

編集部より
  • まずは、日頃の支援を労う
  • ご本人が「できること」を共有する
  • 「やらないで」ではなく「見守ってみよう」と伝える
  • なぜ見守るのかまで伝える

大切なのは、ヘルパーさんを注意することではなく、「ご利用者さんのできる力をどう支えるか」を一緒に考えることです。

サ責に求められる役割や責任について改めて確認したい方は、実務書『サ責があなたに贈る本』もぜひ参考にしてみてください。

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