教えて、間代さん!サ責のお悩み相談室|vol.02

ヘルパーさんによって、サービス内容に差が出てしまいます

サービス提供責任者(サ責)の仕事には、
日々の業務の中で「こんな時どうしたらいいのだろう」と迷う場面がたくさんあります。
このコラムでは、HTCが支援する訪問介護事業所のサ責さんから寄せられた実際のお悩みをもとに、
20年以上にわたり現場を支えてきた間代みずほさんの考え方をご紹介します。
正解をお伝えするのではなく、一緒に考えるためのヒントをお届けできれば幸いです。

※間代みずほさんは、サービス提供責任者の実務書『サ責があなたに贈る本』の著者です。
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今回のサ責さんのお悩み

同じご利用者さんを何人かのヘルパーさんで担当していますが、ヘルパーさんによって掃除の仕方も、声のかけ方も、やることの範囲もバラバラです。

ご利用者さんから「この前の人はやってくれたのに」と言われ、そのたびに間に入って謝っています。

引き継ぎはしているつもりなのに、どうしてこんなに差が出るのでしょうか。
ひとりひとりに注意するのも角が立ちそうで、どこから手をつけたらよいのか分かりません。

間代さんはこう考えます

複数のヘルパーさんで同じご利用者さんを支援していると、どうしても少しずつ違いが出てきます。掃除の仕方、声のかけ方、物の置き場所。「ここまでならやってあげたい」という判断も、ヘルパーさんによって異なります。最初にきちんと引き継いでいても、時間が経つにつれて、それぞれの経験や価値観が加わり、少しずつ自己流になってしまうこともあります。

だからこそ、支援の差が出たときに、「あのヘルパーさんが悪い」と個人の問題にしないことが大切です。

まず見直したいのは、チームとして「何を、どこまで、どのように行うのか」が共有されているかどうかです。そこで共通言語になるのが、訪問介護計画書です。

計画書は、作成して保管しておくだけの書類ではありません。ご利用者さんの目標や支援内容、ヘルパーさんが行うこと・行わないことを、チームで確認するためのものです。

たとえば「居室の掃除」とだけ書かれていても、どの部屋を、どの道具で、どこまで掃除するのかは、人によって受け取り方が変わります。

「本人に声をかけてから始める」
「掃除機をかけた後、所定の場所に戻す」
「棚の上の物はご本人に確認せず動かさない」

このように、支援のポイントを具体的に共有すると、ヘルパーさんによる解釈の差を小さくできます。

ただし、「全員がまったく同じ話し方をする」という意味ではありません。ヘルパーさんそれぞれのよさや、ご利用者さんとの関係性は大切にしながら、支援の目的と範囲をそろえるのです。

ヘルパーさんに伝えるときも、いきなり「やり方が違います」と注意する必要はありません。

まずは、日頃の支援を受け止め、労うこと。そのうえで、「ご利用者さんから、このようなお話がありました。チームで支援内容をそろえたいので、一緒に確認させてください」と伝えてみてください。

“注意する”のではなく、“一緒に確認する”。この姿勢で伝えると、ヘルパーさんも受け止めやすくなります。

そして、支援内容を一度そろえたら終わりではありません。モニタリングを通して、ご利用者さんの状態や希望に合っているか、計画と実際の支援にずれがないかを継続して確認していきます。

「この前の人はやってくれたのに」という言葉は、サ責にとってつらいものです。

でもそれは、誰かを責めるための言葉ではなく、チームの支援を見直すサインでもあります。

どのヘルパーさんが訪問しても、ご利用者さんが安心して支援を受けられること。その安心をつくるのが、サ責の大切な役割です。

計画書をチームの共通言語にして、支援の「目的」「内容」「範囲」を、みんなでもう一度そろえるところから始めてみてください。

編集部より

現場で実践するときのポイント

  • 「誰のやり方が悪いか」ではなく、支援内容の共有方法を見直す
  • 計画書をもとに、「何を・どこまで・どのように行うか」を具体的にそろえる
  • ヘルパーさんには日頃の支援を労ったうえで、「一緒に確認したい」と伝える

サ責に求められる役割や責任について改めて確認したい方は、実務書『サ責があなたに贈る本』もぜひ参考にしてみてください。

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