教えて、間代さん!サ責のお悩み相談室|vol.04

サービス提供責任者(サ責)の仕事には、
日々の業務の中で「こんな時どうしたらいいのだろう」と迷う場面がたくさんあります。
このコラムでは、HTCが支援する訪問介護事業所のサ責さんから寄せられた実際のお悩みをもとに、
20年以上にわたり現場を支えてきた間代みずほさんの考え方をご紹介します。
正解をお伝えするのではなく、一緒に考えるためのヒントをお届けできれば幸いです。
※間代みずほさんは、サービス提供責任者の実務書『サ責があなたに贈る本』の著者です。
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今回のサ責さんのお悩み
ご利用者さんから、「もっときれいに掃除してほしい」「前のヘルパーさんは、ここまでやってくれた」と言われることがあります。
きれいにして差し上げたい気持ちはありますが、訪問介護の生活援助は、どこまでやればいいのでしょうか?
ご利用者さんに不満を持たれないよう、希望されたことはできるだけやった方がいいのでしょうか。

「掃除が行き届いていない」
ご利用者さんからそう言われたら、サ責としては気になりますよね。
「もっときれいにしなければ」「ヘルパーさんに掃除の仕方を注意した方がいいのかな」と考えてしまうかもしれません。
でも、まず立ち返ってほしいのは、訪問介護の生活援助は何のために行うのかということです。
介護保険制度における訪問介護は、ご利用者さんの希望する家事を何でも代わりに行う家事代行サービスではありません。
ご本人ができることはできるだけ行っていただき、難しい部分を支援しながら、ご本人が持っている力を活かして生活できるよう支えていく。
ここでも大切になるのは「自立支援」の視点です。
ですから、
「もっと掃除してほしいと言われたから、やる」「介護保険ではできないから、やらない」
と、希望された一つひとつの行為だけで判断するのではなく、
なぜ、このご利用者さんにこの掃除の支援が必要なのか。
そこから考えてほしいと思います。
たとえば、ご本人が掃除機をかけることは難しくても、身の回りを整えることはできるかもしれません。
一方で、身体状況が変化して、これまでできていた掃除が難しくなっていることもあります。
まず、ご利用者さんがどこまでできるのか。
そして、生活するうえで何に困っているのか。
そのうえで、訪問介護計画書に沿って、ヘルパーさんが支援する内容や範囲を確認します。
もう一つ気をつけたいのが、「前のヘルパーさんはやってくれた」という言葉です。
これは、ご利用者さんがわがままを言っているとは限りません。
以前のヘルパーさんが計画とは違うところまで行っていた可能性もありますし、ヘルパーさんによって支援内容の認識が違っている可能性もあります。
そんなときは、その場で希望に合わせて対応するのではなく、まずは一度サービス内容を確認してみましょう。
必要であれば、ケアマネジャーとも情報を共有します。
ご利用者さんにも、「できません」だけで終わらせるのではなく、
「今の計画では、ここまでをお手伝いすることになっています」「ここはご自身でできているので、今の力を維持できるよう続けていただきたいと思っています」
など、なぜその支援内容になっているのかを説明することが大切です。
訪問介護は、「どれだけたくさん家事をしてあげたか」でよいサービスかどうかが決まるわけではありません。
ご利用者さんの生活を見ながら、できることを大切にし、必要なところを支える。
そして、ご本人の状態が変われば、支援も見直していく。
「掃除が行き届いていない」と言われたときこそ、掃除の出来栄えだけを見るのではなく、今の支援が、ご利用者さんの自立した生活につながっているかを、改めて考えてみてください。
サ責には、その視点をヘルパーさんやご利用者さん、ケアマネジャーと共有していく役割があると思います。

「掃除が行き届いていない」とご利用者さんに言われたときに確認したいこと
- ご本人の「できること」を確認する
- 訪問介護計画書で支援の目的と範囲を確認する
- 支援の範囲だけでなく、その理由もヘルパーさんとご利用者さんに共有する
- 状態が変わっていたら、ケアマネジャーと支援を見直す
大切なのは、「どこまで掃除するか」だけで考えないこと。「なぜ、このご利用者さんにこの支援が必要なのか」に立ち返って考えてみましょう。
サ責に求められる役割や責任について改めて確認したい方は、実務書『サ責があなたに贈る本』もぜひ参考にしてみてください。
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