紡ぐこと、伝えること――本づくりの舞台裏から

はじめまして。
HTCで制作部門を担当している、きょんと申します。
編集を生業に、HTCでは広報・制作部門を担当しています。

HTC出版の立ち上げ、本の制作もまるっとまかせていただいています。

1.門外不出のサ責マニュアル

2年前、ボスである中込が

「サ責を育てるプロ中のプロの方がいてね。
彼女が在籍する事業所には、
彼女の書いた、門外不出のマニュアルがあるんだよ

“門外不出のマニュアル”
――そんな響きに、興味をひかれて
マニュアルを書いた間代さんに会いに行く機会をいただきました。

訪れた彼女の職場は、
とても温かい空気に包まれていました。

スタッフの皆さんがいきいきと働いていて、
私のような外部の人間にも、自然に明るく挨拶をしてくださる。
「あ、ここの事業所は、なんか気持ちいいな」と、すぐに感じたのを覚えています。

実際にお会いした間代さんは、
想像していたより、朗らかでかわいらしく優しい印象の方でした。

サ責育成のプロ、と伺っていたので、
勝手にもっと厳しめな想像をしていたんですがw

そして“門外不出のマニュアル”を見せていただいたとき、
私は衝撃を受けました。

それは、ただの業務手順書ではなかったのです。

サ責(サービス提供責任者)という仕事に日々悩み、
葛藤しながら向き合っている人に、
やさしくそっと寄り添う、
そんな文章でした。

コピー用紙にベタ打ちされたその原稿は、
現在の書籍の約3倍ものボリューム。

長年のサ責の迷いやつまずきを受けとめながら、
何度も加筆され、
継ぎ足されてきた“生きた文章”でした。

「これを、孤独に日々の業務に向き合う日本中のサ責に届けたい」

中込と共に、そう強く思い、
間代さん、そして事業所の皆さまを説得し、
出版の承諾をいただくことができました。

2.門外にでても”伝わるかたち”を模索して

そこからの約1年は想像以上に長く、
濃密な制作の日々でした。

まず、間代さんが介護に関わってきた年月そのものを、
丁寧に棚卸しする作業。

次に、その思いや経験を、

身内以外のサ責にも“伝わるかたち”にするために、
構成し、
校閲し、
校正を繰り返す。

最初は間代さんとメールで赤字の応酬、
文通のようなやりとりでした。

そしていつしか、
「なぜこの表現なのか」
「この言い回しで本当に伝わるのか」
そんな対話を毎晩のように
オンラインで交わすようになっていきました。

半年ほど経った頃には、

間代さんから
「こんなことを言いたかった」
「これが伝わっているか不安で…」
と相談されるたび、

私はその場で文章を即興で提案する
”間代ChatGPT”になっておりましたw

3.全国のサ責さんへ

HTCの「届けたい」という願いからはじまり、
間代さんの人生をふり返る棚卸しを経て、
全国のサ責さんへ届けるための“翻訳”を重ねました。

最後に、
本のオビに使った間代さんの言葉を引用させていただきます。

これはサ責のわたしが
サ責のあなたのためにつくった本です

教本ではありません。

サ責の経験が
私を大きく成長させてくれました。

「一生かけても惜しくない仕事です」

全国のサ責さんに、
この本が届いてほしいです。

「サ責のあなたに贈る本」著者:間代みずほ HTC出版

 A5サイズ/P127/税込3,300円

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