「大丈夫です」と言う人ほど、少し心配になります―介護現場で見てきた「管理職が潰れる前兆サイン」

こんにちは、HTCのツルです♪
前回のコラムでは、
中込が制度の話をするとき、
私は横でクライアントの表情を見ている、という話を書きました。
制度を読む中込と、
現場をほどく私。
そんなふうに現場に入っていると、よく感じることがあります。
それは、
管理職の方が潰れるときは、ある日突然ではない
ということです。
多くの場合、その前に
現場には小さなサインが出ています。
ただ、そのサインは
周囲から見ると
「頑張っている姿」に見えてしまうことも多いんです。
だからこそ今回は、
私が現場で見てきた
“管理職の方の少し心配になる前兆”
について書いてみたいと思います。
1. 管理職が潰れる前に出る「危険サイン」
現場に入っていると、
「あ、この方ちょっと危ないかもしれないな」と感じる瞬間があります。
それは、大きな出来事ではなく
小さな変化として現れます。
私がよく見るのは、次の4つです。
サイン① 本人の意思ではなく管理職になってしまった
離職率が高く、万年人材不足の介護業界では、
キャリアが十分でなくても
“ところてん方式”のように管理職に任命される場面がよくあります。
ご本人はキャリア不足と感じていても、
管理職にならざるを得ない状況があります。
任命された直後からその重圧が、
静かにのしかかっていることも少なくありません。
サイン② 「あとでやろう」が積み上がっている
まず一番多いのが、
終わりきっていない仕事が増えている状態です。
例えば、
ケアプランが届く。
通所介護計画書を作る。
ここまではできている。
でも、そのあとに必要な
・コピー
・利用者さんのサイン
・ケアマネへの返送
・フェイスシート更新
・アセスメント更新
・居宅訪問チェックシート更新
・担当者会議の議事録
こういった付随作業が止まっている。
会議には出ている。
でも議事録がない。
入力はしている。
でも、その後が手つかず。
これはサボっているわけではありません。
頭の中で
「ケアプランが届いたら次にこれ、その次にこれ」という矢印が
うまくつながらなくなっている状態です。
そこに日々の業務が重なり、
「あとでやろう」が少しずつ増えていく。
管理職が潰れる前には、
この未完了の山が
静かに増えていることが多いです。
サイン③ 「相談」が減っている
もうひとつ気になるのが、
相談が減っている状態です。
一見すると落ち着いているように見える。
淡々と仕事をしているように見える。
でも実際は
・何を聞けばいいか整理できない
・今さら聞きづらい
・自分がやるしかないと思っている
・忙しすぎて聞く余裕がない
そんなふうに、
少しずつ抱え込みが始まっています。
「大丈夫です」
「なんとかやってます」
そう言う方ほど、
少し心配になることがあります。
本当に余裕がある人は、
意外とちゃんと
「ここが難しいです」と言えたりするものです。
サイン④ “楽にする発想”がなくなっている
もうひとつ大事なのが、
仕組み化の発想が持てなくなることです。
人が本当にいっぱいになってくると、
“楽にするための頭”
が使えなくなります。
例えば、
変更がほとんどない利用者さんでも
毎回いちから議事録を作っている。
本当は
変更がない人用のフォーマット
を作っておけば
名前と日時を入れるだけで済むかもしれません。
でも、そこまで頭が回らない。
目の前の仕事をこなすだけで
精いっぱいになっている状態です。
これは能力の問題ではありません。
むしろ真面目な人ほど
全部自分でやろうとしてしまう。
その結果、
余白がなくなってしまうことがあります。
ここまで書いてきたことは、
全部、個人の努力だけではどうにもならないことです。
多くの場合、
それはしくみやリソースの問題だからです。
2.介護現場の管理職は、想像以上に孤独になりやすい
介護の現場で管理職の方が担っているものは、
想像以上に多いです。
現場を回しながら
書類を整え、
制度も理解し、
責任を持って判断する。
生活相談員さんや管理者さん、
サ責の方もそうですが、
実務をしながら管理をする
という形になっていることが
少なくありません。
しかも、その整理を手伝ってくれる人が
事業所の中にいないことも多いです。
現場のことは現場で相談できても、
管理のことは同じ深さで話せる相手がいない。
上に聞くしかない。
でも、何をどう聞けばいいのかも整理できていない。
それでも、毎日は回っていきます。
さらに、管理側に回ると
現場からこんな目で見られることもあります。
「座ってるだけなのに、何してるの?」
もちろん現場の忙しさも本当に大変です。
でも、中にいる人もまた
別の大変さを抱えています。その板挟みの中で、
管理職は少しずつ孤立していきます。
3.私が現場でしていること
―頭の中を整理する仕事
私は、
全部を代わりにやるために
コンサルに入っているわけではありません。
もちろん状況によっては
手を動かすこともあります。
書類の整理を一緒にしたり、
Excelで管理表を作ったりすることもあります。
でも一番やっているのは、
コンサル先の経営者や管理職、スタッフの
頭の中を整理すること
だと思っています。
・何が大事か
・何を後回しにしていいか
・どこをフォーマット化できるか
・何を残せば自分がいなくても回るか
それを一緒に考える。
そうすると、
少し呼吸ができるようになる方が多いです。
荷物を少し分けるだけでも、
人はかなり変わります。
そして、経営者や管理者が
「頑張っているから大丈夫」
で済ませてしまわないことが
とても大事です。
というわけで、
私は今日も、
現場の頭の中を
ほどきに行ってきます!
